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台帳は763件、実物は約400件だった

2026年8月19日untactit

同期の台帳は静かに壊れる。手元のデータベースは「763件」と言っていた。信用をやめて、21 の AI プラットフォームにブラウザで直接入り、各プラットフォーム自身の API をページ内から叩いて ID 単位で突き合わせたら、実在したのは約 400 件だった。

これはそのギャップの監査記録だ。数字は 2026-08-18 に実際のアカウントで測ったもので、仮定の話はひとつもない。

前提

対象は、実際に使っているアカウントから収集した AI エージェント資産 — 会話・プロジェクト・スキル・指示ファイル・メモリ — の台帳 763 行。Claude、ChatGPT、Gemini、Grok、Perplexity、Kimi、Qwen ほか、あわせて 21 プラットフォーム。

検証の方法は道具より大事なので先に書く。

  1. 認証済みページの中から fetchcredentials: 'include')でそのプラットフォーム自身の一覧 API を呼ぶ。ページネーションは最後まで回す
  2. UI に実際に見えているものと突き合わせる
  3. 可能な場所は件数ではなく ID の集合で比較する — 積集合と、両方向の差集合

件数が一致していても、中身が別のリストということはある。何があるかを教えてくれるのは ID の差分だけだ。

台帳のウソは3種類ある

763 と 400 の差は 1 個のバグではなかった。独立した 3 つの故障モードで、どれもダッシュボード上は健全に見える。

故障モード何が起きるか確認できた行数
幽霊プラットフォーム側で消えたものが DB に残り続ける最低 173
取りこぼし実在するのに DB に入っていない最低 63
誤検出全員に配られる既定物・例文を、ユーザー資産として計上最低 109

構造に注意してほしい。幽霊と誤検出は台帳を水増しし、取りこぼしは目減りさせる。部分的に相殺する。つまり合計件数は、3 つの故障をすべて隠すことが保証された唯一の指標になる。

最悪のセル3つ

ページサイズ上限が件数になっていた。 あるプラットフォームのスキル欄は台帳上 100 件。ユーザーが実際に入れたのは 4 件だった。残り 96 は全ユーザーに表示される公式カタログで、「100」という数字自体、一覧 API の page_size 上限がそのままアカウントの事実として記録されたものだった。

設定画面の例文がメモリになっていた。 実際には 8 件の保存情報があるのに、収集器は 8 件すべてを取りこぼし、代わりに設定画面のプレースホルダ(「例:〜」の 2 行)をユーザーデータとして保存していた。ダッシュボード上では、このセルは「動いている側」に見えた。

最初から存在しないファイルが 42 行。 ローカルのルールディレクトリを指す指示ファイル 42 行の参照先パスが、このマシンに存在しなかった。削除されたのではない。一度も存在したことがない。それでも収集器は 42 行を書いた。

「同期は成功しました」が何も意味しない理由

この全行が、成功を報告したジョブによって書かれた。ここが本題だ。

  • 書き込みの成功は、読み取りの正しさを何も保証しない。 収集器は取ってきたものを忠実に保存した。取ってきたものがカタログページと例文だっただけだ
  • 途中で止まったページネーションは、完走したページネーションと見分けがつかない。 63 件の取りこぼしの正体は、1 ページ目で止まった一覧取得と緑のチェックマークだった
  • 件数は「ありそうな数」に向かって漂流する。 ヘビーユーザーの資産 763 件 — 信じられる数字だ。信じられる数字は誰も疑わない

直し方

収集器の改良ではない。読み直し監査(read-back audit)を一級の操作にすることだ。同期のあとに対象を再読して ID を両方向に diff する。「プラットフォームが全員に配る既定物」を、マッチャが知っているべきカテゴリとして扱う。そして一度きりではなく、スケジュールで回す。

複数のツールでエージェントを運用しているなら、一度数えてみてほしい。プラットフォームをひとつ選び、台帳の言い分を書き出し、そのプラットフォーム自身の API を最後のページまでめくる。最初の diff は大抵 10 分で出るし、空であることは滅多にない。


*この監査は untactit — AI エージェントのスキル・指示・メモリを一元管理する基盤(プレローンチ)— の開発過程のものです。ここで書いた読み直し検証は、そのままプロダクトの設計原則になっています。配信先を読み直さない配信は、台帳が腐る経路そのものだからです。*

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